神頼み入門 (角川oneテーマ21)飯倉 晴武
角川グループパブリッシング 刊
発売日 2008-12-10
価格:¥740(税込)
発送可能時期:通常24時間以内に発送
お賽銭は、お札よりも硬貨の方が良いそうです 2008-12-26
「正しい神頼みとは、神様と接するという姿勢の中で自分自身を見つめなおし、運を引き寄せる生き方をするということなのです」。
タイトルを見て、一瞬、のけぞりそうになった。しかし、中身は特別なことはなく、日本の神頼みの伝統について淡々と説明が書き連ねられている。それぞれのいわれなどについても書かれてあり、例えば、結婚式で神様に誓うようになったのは明治に入ってから、というような説明が頻繁に登場する。
章立てとしては、
・間違いだらけの神頼み
・成長の節目における神頼み
・人生の節目を刻む儀式と神
・暮らしの中の神頼み
・日本の愛される神さま
・目的別 神頼み寺社ガイド
・神頼みは日本の伝統
...という構成になっている。俗世間に染まった感覚で日本のあちこちにいる神様を全くないがしろにしてきた自分にとっては、ちょっぴり新鮮だった。
日本は多神教の国だから、神様といってもいろいろあって簡単ではない。こういう本でも読まないと、確かにわかりにくい。一方、「海外では宗教を尋ねるというのは国籍を尋ねるようなもので、あって当然と思われている」というのはまだしも、「宗教的教育の必要性に眼をむけるべき」という主張については、人それぞれの意見があるとはいえ、日本国憲法第20条をきちんと読んだことがありますか?とコメントせざるを得ない。
本書から外れるが、宮本武蔵は「仏神は尊し、仏神を頼まず」という言葉を書き残している。神仏に一定の敬意を払いながらも、腕一本に頼って生き抜いた剣豪の偽らざる気持ちだろう。これから日本は、お正月や受験といった神頼みのシーズンを迎える。日本の伝統文化としての正しい神頼みの方法を理解し、よりあらたかな霊けんを引き出すためには、このような本を読んでおいても損はないかも、、、とは残念ながらいえないけれど、予想よりは、まあいくらか面白い本でした。
尚、本書は世間の一般常識的な範囲での神頼みについて扱っており、特定の宗派に偏った紹介とか、丑の刻参りなどのマニアックな分類に入る方については言及していませんので、念のため。
さらに詳しい情報はコチラ≫この記事は2009/2/9に作成しました。
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